便秘に悩む人がどれくらいいるかご存知ですか?
平成28年の国民生活基礎調査によると、便秘有症者率は、男性2.5%、女性4.6%で、20~60歳では圧倒的に女性に多く、60歳以降は男女とも加齢に伴って増加し、80歳以上の高齢者では男女差はなくなります。
60代から増加する原因としては、加齢に伴って腸の動きが悪くなったり、便を排出する筋力が落ちてしまうことが考えられます。
Column
平成28年の国民生活基礎調査によると、便秘有症者率は、男性2.5%、女性4.6%で、20~60歳では圧倒的に女性に多く、60歳以降は男女とも加齢に伴って増加し、80歳以上の高齢者では男女差はなくなります。
60代から増加する原因としては、加齢に伴って腸の動きが悪くなったり、便を排出する筋力が落ちてしまうことが考えられます。
当院でお渡ししているお通じ手帳です。
便秘の自覚のある方はお通じ手帳で便通の記録をします。
自分が便秘かどうかのチェックにもなると思いますので、
ご希望の方は診察時に申し出てください。
便秘の種類は大きく分けて、器質性便秘と機能性便秘に分類されます。
器質性便秘とは、大腸癌やクローン病などの病気によって大腸が狭窄したり形が変化することが原因で起こります。
一方、機能性便秘は、腸の蠕動(ぜんどう)運動が弱いことや、直腸の知覚と反射が鈍くなり、便意を感じなくなることが原因で起こります。
便秘に良いとされている食べ物には、食物繊維が多く含まれる野菜類や、腸内環境を良くする発酵食品、オリゴ糖を含む果物類があります。
ほうれん草、ケール、レタス、海藻類、バナナ、リンゴ
〇不溶性食物繊維ごぼう、さつまいも、キノコ類、大豆やおからなどの豆類、こんにゃく
納豆、乳製品、キムチ、甘酒など
はちみつ、大豆(きなこ)、たまねぎ、
ごぼう、にんにく、アスパラなど
発酵食品とオリゴ糖は一緒に摂取すると効果が期待されます。
ヨーグルトにはちみつやきなこをかけて食べたり、玉ねぎの味噌汁なども良いですね。
便秘薬に頼らずに日々の食事で便秘を改善するには、継続が必要です。
無理のない範囲で少しづつ食事をバランスのよいものに変えていきましょう。
食事で改善が見られない場合や、高齢になってからの便秘、便に血が混じっている場合は、医療機関を受診しましょう。
これまで、腎臓についていろいろな視点からお伝えしてきましたが、腎臓に優しい食事についての注意点をお知らせします。腎臓シリーズはこれで終了となります。なお、今回のコラムについてより詳しい説明を希望される方は当院に在籍しております管理栄養士にお声掛けいただけたらと思います。
腎機能が低下している方は食事に気をつけなければなりません。
食べる量に気を付ける栄養は、食塩、タンパク質、カリウムです。
塩分の多い食品の一例
梅干しや漬物
干物類
ハムやソーセージ
ねり製品類
初期(G1~G2) | 1日あたりの食塩量は男性7.5g、女性6.5g未満 ※高血圧の方は6g未満です。 |
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中期~後期(G3a~G5) | 1日当たりの食塩量は3g以上6g未満 |
タンパク質の多い食品の一例(タンパク質含有率も表示)
肉類 鶏ささみ
15~23%
乳製品
5~20%
魚類 まぐろ、かつお
16~22%
初期(G1~G2) | 65歳未満の成人男性で65g、65歳以上は60g、成人女性は50g 尿検査でたんぱく陽性の方は1日に標準体重1キロあたり0.6~0.8g |
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中期~後期(G3a~G5) | 1日に標準体重1キロ当たり0.6~0.8g 体重60kgだと、36g~48gです。 |
肉や魚全般のタンパク質含有率はおよそ20%です。100gの肉や魚には約20gのタンパク質が含まれています。
乳製品のタンパク質含有量は種類によって違います。ヨーグルト100gあたり3~4g、チーズ20gあたり2~5gです。
カリウムの多い食品の一例
生野菜と果物
いも類
たけのこ
ナッツ類
初期(G1~G2) | 特に気にする必要はありません。 |
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中期(G3) | 1日 2000mg未満 |
後期(G4、G5) | 1日 1500mg未満 |
生野菜やイモ類に気を付けましょう。素材をよく刻んで水にさらす、もしくは茹でこぼすことでカリウム量を減らすことができます。
タンパク質の摂取量を制限すると、摂取カロリーが少なすぎてしまうことがありますので、カロリー不足にならないように注意しましょう。
カロリー調整しやすい食べ物は、糖分や脂肪分を含む食べ物です。甘いものや、ドレッシングの量を調整するなど、気を付けてみましょう。
自分の適正なカロリー摂取量は、標準体重×25kcal~30kcalです。
標準体重=自分の身長(m)×自分の身長(m)×22
150㎝だと49.5kg、カロリー摂取量は1237~1485kcalです。
160㎝だと56.3kg、カロリー摂取量は1408~1689kcalです。
前々回のコラムでeGFRの計算方法を紹介しましたが、腎機能が低下してきている方は、日々の生活習慣や食事に注意して腎臓に優しい生活を心がけましょう。
すでに腎機能が中程度以上低下している方は、食事療法では改善しない可能性がありますので医療機関を受診し、薬を処方してもらいましょう。
お酒の適量はどれぐらいかご存じですか?
禁酒が無理だという方は、週1~2日休肝日を設定するのもいい方法です。また、お酒と一緒に食べる「おつまみ」には塩分が多く含まれているものが多いですので気を付けましょう。
一日平均純アルコールで20g程度と言われています。少量でもアルコール度数が強いお酒には注意しましょう。
腎機能の低下にタバコは関係ないと思いがちですが、タバコに含まれる「ニコチン」には、血管を収縮させる作用があり、それによって血圧も上昇します。血圧が上昇すると血流量が少なくなり、腎臓に負担がかかります。
普段車で移動している方は歩く機会が少ないと思いますが、腎機能だけでなく、心機能の維持にも適度な運動は必要です。これからは涼しくなって運動しやすい時期になります。ウォーキングやハイキングなど、自然を感じながら汗を流すのもいいですね。
睡眠不足や不規則な生活は、腎臓に負担がかかります。十分な睡眠をとり、ストレスをためないようにしましょう。
慢性腎臓病の発症や進行を防ぐための生活習慣は、メタボリックシンドロームの予防と共通している部分が多いです。
体重が増えてしまうということは、体が必要としているカロリーと消費しているカロリーが釣り合っていないからです。年齢や性別で必要なカロリー量は違いますので、どうしても体重が増えてしまう方は、一度自分の体組成を測定し、内臓脂肪レベルや筋肉量、基礎代謝量を知って栄養指導などを受けてみてください。
※沼津市では、20歳以上の市民は無料で体組成の測定を行っています。詳しくは沼津市の生活習慣病予防等保健事業のページをご確認ください。
甲状腺機能低下症や下垂体機能低下症など、ホルモンの異常で体重が増加してしまう病気もあります。自覚のない体重増加がある場合は、医療機関を受診しましょう。
特定検診で医師の判断によって眼底検査を受けるよう指示がある場合があります。
眼底検査でわかるのは、目の病気だけと思っていませんか?
眼底検査とは、眼底鏡や眼底カメラを用いて眼球の奥にある血管、網膜、視神経などを観察し、眼底の異常の有無を調べる検査です。
失明の可能性がある緑内障や黄斑変性、糖尿病網膜症といった目の病気を早期に発見することができます。
また、眼底に見られる網膜血管は、人間の体のなかで唯一、外から直接血管の状態を観察できる場所です。
高血圧や高脂血症、糖尿病、動脈硬化などの血管の病気の診断にも有効な検査です。
視力検査で問題がなく、見え方にも問題がなければ、眼科を受診しようと思う方は少ないと思いますが、目の病気のなかには、初期~中期まで自覚しにくい病気も多くあります。
40歳を過ぎたタイミングで一度検査を受けてみると良いでしょう。
異常が見られなかった場合も、1年に一度くらいの頻度で定期的に検査を受けましょう。
特定検診を受診後に眼底検査を受ける場合は、1週間以内に眼科を受診するようにしましょう。
緑内障は中途失明の原因第1位です。緑内障に気づかずに放置してしまうと、徐々に視野が狭くなり、失明する危険が高まります。
眼球内は、房水という液体で満たされていますが、緑内障はその房水が何らかの原因で過剰になり、眼圧が高い状態で視神経が圧迫されることが原因です。
また、強度の近視の方や、血縁者に緑内障の方がいる場合も注意が必要です。
目は生活するうえでとても大事な器官です。健康寿命の維持のために、目の健康にも気をつけていきましょう。
最近TVCMなどでよく目にするようになりましたが、慢性腎臓病は近年増えており、20歳以上の成人の8人に1人いると考えられていて、新たな国民病とも言われています。
慢性腎臓病はメタボリックシンドロームとの関連が深く、誰にでもかかる可能性があります。
前回のコラムでも書いたとおり、腎臓は体を正常に保つ様々な役割を担っているため、慢性腎臓病によって腎臓の機能が低下し続けることで様々なリスクが発生します。
慢性腎臓病はその重症度に応じて、ステージ1からステージ5の5段階に分けられています。
その指標になるのが推算糸球体濾過量(eGFR)です。
これは、腎臓にどれくらい老廃物を尿へ排出する能力があるかを示しており、この値が低いほど腎臓の働きが悪いということになります。
eGFRは血清クレアチニンの値と年齢と性別から計算できます。
血清クレアチニン値は健康診断でも測定することがあるので、健康診断の結果を確認して計算してみましょう。
協和キリン株式会社様の「知ろう。ふせごう。慢性腎臓病」というサイトのお勧めにあるeGFR測定のページで計算してみました。
<例>50歳女性、血清クレアチニン0.6であった場合
年齢とクレアチニンの値を空欄に入力し、性別を選択したら、診断結果を見るというボタンを押します。
計算結果は、正常または軽度低下 あなたのeGRF値は68.9
eGRF区分:G2 90>eGRF>60
といった感じで計算結果とeGRF区分を教えてくれます。
eGRFが正常値でも、尿検査で一つでも陽性があれば、医療機関を受診することをお勧めします。
GFR区分 | eGFR | |
---|---|---|
G1 | ≧90 | 正常または高値 |
G2 | 60~89 | 正常または軽度低下 |
G3a | 45~59 | 軽度~中等度低下 |
G3b | 30~44 | 中等度~高度低下 |
G4 | 15~29 | 高度低下 |
G5 | <15 | 末期腎不全 |
GFR区分がG2であっても、尿たんぱくが陽性の方や、G3以上の方は、早めにかかりつけ医を受診するようにしましょう。
女性は男性に比べて、腎機能の低下が早い傾向にあります。
自覚症状がない病気ですので、自分は大丈夫と思わず、まずは自分の腎機能を調べてみることが大事です。
腎臓は人間の体にとって、なくてはならない臓器です。
「肝心(腎)要(かんじんかなめ)」という言葉があります。この語源は「肝臓」と「心(腎)臓」がとても大切な臓器であることに由来するといわれています。それほど大切な臓器ですが、尿を作る以外の働きはあまり知られていません。腎臓には大きく5つの役割があります。
体内をきれいにして、体内の環境を最適にしてくれている腎臓ですが、年齢とともにだんだん機能が低下していきます。
腎臓に負担のかかる食事や生活習慣を続けていると、気付かない間に腎機能が低下していることもあります。高血圧や高脂血症などの生活習慣病をお持ちの方は特に注意が必要です。
腎機能が低下したときの具体的な症状としては、手足がむくんだり、立ち眩みや貧血を起こしたり、カリウムが高くなったり、骨がもろくなったり、疲労感が続くなど、体に不調が現れますが、自覚症状がないことがほとんどです。
初期の段階では食事療法や薬などで治療ができますが、腎機能がさらに低下すると薬での治療は難しくなり、透析が腎移植が必要になります。高齢化に伴い、慢性腎臓病(CKD)を患う人も年々増えています。定期的な検査で腎機能低下のサインを見逃さず、早めに治療を始めましょう。
検査結果によってどのような疾患が疑われるかを示しています。
ご自身の健康診断の結果を見て、要精密検査と書かれていたら早めにかかりつけ医に相談しましょう。
結果 | 疑う疾患 | |
---|---|---|
尿糖 | 陽性 | 糖尿病 |
尿たんぱく | 陽性 | 腎疾患や膀胱炎など |
尿潜血 | 陽性 | 腎炎、尿管結石、膀胱炎、前立腺炎など |
ウロビリノーゲン | 陽性 | 肝障害や胆道系疾患 |
結果 | ||
---|---|---|
尿素窒素 | ↑↑ | 20㎎/dl以上で腎機能低下疑 |
血清クレアチニン | ↑↑ | 男性1.2㎎/dl以上 女性1.0㎎/dl以上で腎機能低下疑 |
eGRF | ↓↓ | 59以下で腎機能低下 |
尿酸 | ↑↑ | 7.0㎎/dl以上で高尿酸血症 |
※尿素窒素と血清クレアチニンの値は、体形によって値が高く出たり低く出たりしますので、検診で指摘されたら早めに受診して医師に相談しましょう。
腹部レントゲン検査や腹部超音波、腹部CTなどで腎結石や腎腫瘍などを判別可能です。
当院ではレントゲン検査、腹部超音波検査が可能です。
CT検査は精査が必要と判断されたら、他院で受けてきていただいております。
特定健診とは、40歳以上の方を対象に、メタボリックシンドロームに着目して行われる検診です。
2008年度から、メタボリックシンドロームに該当する人やその予備軍を減少させるため、特定健康診査(特定健診)がスタートしました。
国民健康保険の方や後期高齢者の方は、市町村の住民健診として特定健診を受診できます。
社会保険の方やその家族は企業健診を受けていただくことになります。
静岡県東部は、生活習慣病の有病率が高く、メタボ該当者や肥満の人が多い状態です。
健康寿命の延伸のために特定健診を受診し、肥満の改善や生活習慣病の予防を心掛けましょう。
基本的な 健診の項目 |
|
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詳細な 検査の項目 ※一定の基準 |
|
第2次沼津市健康増進計画より抜粋
コロナ禍の受診控えで生活習慣が悪化していたり、体重が増加している方が増えています。
体重が5㎏増えると、2型糖尿病や高血圧、心血管疾患、がんなどのリスクが上昇するといわれています。
がん検診とは、がん予防やがんの早期発見のための重要な検診です。現在沼津市では、胃がん(バリウムまたは胃カメラ)、大腸がん、肺がん、肝炎ウイルス、前立腺がん、子宮頸がん、乳がん、の7種類の検査について助成を行っています。
※当院では子宮頸がん検診は行っておりません。
がん細胞が1㎝から2㎝の大きさになる期間は、1~2年と非常に短いことが多く、早期発見には定期的ながん検診が必要です。コロナ禍前と比べてがん検診の受診率は約10%ほど低下しています、進行がんになってしまう前にがん検診を受診しましょう!
※市町村から届く受診券を確認し、対象となる検査を受診しましょう。
新年度を迎え、体に不調を感じている方も多いと思います。
4月・5月は季節の変わり目で寒暖差が大きく、体調を崩しやすくなります。
新生活のストレスによって不眠や片頭痛、胃炎などにもなりやすい時期です。
学生の皆さんは、朝になっても全然起きられないといったことはありませんか?
このような不調の原因は、自律神経の乱れが関係していることがほとんどです。
自律神経を整えて新生活をスタートさせましょう。
朝起きたらカーテンを早めに開けて朝の陽ざしを浴びましょう。新緑の葉を通して浴びる日光は、眩しすぎず、脳の目覚めを促します。ぜひ朝の陽ざしを浴びるよう心がけてください。
また、夜は長風呂や熱いお風呂はやめて、38~40度くらいのお風呂に10~15分程度つかるようにしましょう。お風呂に入ってリラックスしたら夜更かしせず、たっぷりの睡眠を取りましょう。
1.症状が出る数日前より周囲の人達に感染させてしまう
2.高齢者は重症化しやすく、大変残念ですが死亡率が高い
3.インフルエンザの治療薬(タミフルなど)のような特効薬がない
4.ほとんどの日本人が抗体をもっていないのでかかる人が多い
高齢者の新型コロナワクチン接種は発症と重症化を予防する事ができるのです!
新型コロナワクチン接種で、発症リスクが20分の1になることが報告されています。自分のため、そして身近な大切なひとのために新型コロナワクチンを接種しましょう
Q:ワクチンはmRNAを利用すると聞いたのですが、発がん性はないのでしょうか
A:ヒトの細胞の核(遺伝子であるDNAのあるところ)には入り込みません。このワクチンが原因でがんの遺伝子が作られることはありません。
Q:ワクチンの副反応が心配です
A:ワクチンを接種した後に7−8割の頻度で注射した部位が腫れたり痛むことが報告されています。
これは身体の中でウイルス感染症を防御するしくみを作るために起こる症状で通常は数日間程度でおさまります。重い副反応としてまれに接種後数分でアナフィラキシー反応や、注射の痛みや恐怖興奮などさまざまな刺激のために、めまい・嘔気・失神(迷走神経反射)などが起こることがありますので
接種会場では、接種後30分程度安静にすごして経過を観察させていただきます。
医療体制も整えておりますのでご安心ください。
Q:筋肉内注射は痛いと聞きました
A:接種方法にかかわらず、一般的にワクチン接種時に痛みを感じることはありますが数日で消失します。本当は接種部位の痛みや腫れなどの反応は皮下注の方が強いです
Q:少し血圧が高めですし、時々蕁麻疹も出たりします。こんな私がワクチンを接種しても大丈夫でしょうか
A:基本的には接種は可能と思われますが、少しでも不安があれば是非かかりつけにご相談ください。
Q:新型コロナワクチンを接種後は、マスクも3密もいりませんね
A:いいえ違います。接種後も感染対策を継続していただき1日も早く感染が終息するために御協力お願いします。
新型コロナワクチンは世界各国で使用実績があります。新型コロナ感染症をもっと知ってマスク・3密回避だけでなく、ワクチン接種で自分をそして大切な人を守りましょう