大沢医院

大沢医院

MENU

コラム

Column

2021年2月10日
花粉症予防について

花粉症予防について

2月に入り暖かい日が続いています。今年は新型コロナウイルス感染症流行のため2回目の緊急事態宣言が発令され3月上旬まで延長されました。熱海の梅まつり、河津桜まつりは、中止になりましたが、天気が良い日は布団干しやお散歩をしたくなります。
しかしこの時期とても悩ましい問題があります。スギ花粉症です。2月の上旬より、花粉は飛び始め、鼻水、くしゃみ、鼻つまり、目のかゆみをおこします。今年は昨年に比べると2.3倍近くの花粉が飛ぶようです。花粉が飛び始める2週間程前より予防的に内服薬や点鼻液、点眼液をしておくと症状を抑える効果が期待できますが、症状が進んでしまうと咳、のどや皮膚のかゆみ、頭重感、頭痛、倦怠感、不眠、下痢、熱っぽい感じ、体や顔のほてり、イライラ感など体の各部分の症状が現れてきます。その為予防と早めの治療が大切です。花粉症の初期の症状は感冒症状と区別がつきにくいことがあります。今年はコロナウイルス感染症も考えていかなければなりません。マスク着用、うがい、手洗いは、コロナウイルス感染症だけでなく、花粉症の予防にもつながります。毎年この時期にこのような症状が出現し、透明な鼻汁が長引く、目のかゆみを伴うなどが認められる方は血液検査や皮膚テストで検査ができるので自己判断せずに早めに医療機関を受診してみるとよいでしょう。

2020年4月14日
新型コロナウイルス感染症について

新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言が全国7都道府県に出されての初めての週末が過ぎましたが、ウイルスの拡大は以前とどまることを知りません。
静岡県でも不要不急の外出は控えるよう要請が出されています。
家にこもりがちな生活が長く続くと運動不足やストレスの増加が心配されます。
運動不足はすべての年齢層にマイナスですが、特に高齢者は運動できない場合の筋肉量の低下も激しく問題です。
筋肉の衰えは転倒や骨折の危険を高めるだけでなく免疫力の低下も招き、感染した際の重症化のリスクもあがります。
ラジオ体操や軽いスクワットなどは家の中でも出来ますので是非毎日続けましょう。筋肉や骨を維持するのに必要なアミノ酸やビタミンDは魚や肉、茸類に多く含まれていますので、意識して摂取しましょう。
日光浴は体内のビタミンDの増加やストレスの減少に効果がありますので、天気の良い日は密集しないように散歩や戸外での適度な運動などを心がけましょう。
在宅勤務や休校でも起床や就寝時間はいつもと同じにし、また睡眠時間を充分とることで免疫力を高めましょう。
飲酒や喫煙で紛らわすのは決してよくありません。特に喫煙習慣のある方は在宅勤務やストレスなどで喫煙本数が増える可能性がありますが、喫煙は新型コロナウイルス感染症の最も重要な重症化因子ですので出来る限り我慢して下さい。
禁煙をすると最初の数日は眠気に襲われることがありますが必ず改善します。
怖いコロナウイルスに打ち勝つためにも是非この機会に禁煙をしてみてはいかがでしょうか。

2020年3月31日
新型コロナウイルス感染症について

新型コロナウイルス感染症について

コロナウイルスは、通常冬季に流行する風邪症候群の原因ウイルスとしては比較的ありふれたものでした(10〜15%はコロナウイルスが原因です)。
今回の新型コロナウイルスは、従来のコロナウイルス感染症に比べ重症率が高いこと、また世界中でこのウイルスに対する抗体を持っている人がほとんどいないことが特徴です。ウイルス感染症自体の重症化についても、例えばエボラ出血熱のような高い致死率を持っているものではありませんが、感染率ははるかに高く、おそらく毎年流行するインフルエンザよりは高いと考えられています。
何より、まだウイルス感染症自体の全貌がつかめていないことが最も問題と思われます。
確実に有効な治療法もまだ開発されていませんし、最終的には半年から1年6ヶ月くらいかかると言われている有効なワクチン開発までは沈静化は望めないと思われます。

重症化を起こす方々は高齢で糖尿病や心血管疾患合併の方、慢性呼吸器疾患を抱えた方たちです。
心血管障害、慢性呼吸器疾患は当然喫煙とのかかわりが非常に大きい疾患です。

症状はインフルエンザのような高熱などではなく、軽い乾いた咳から始まることが多く、そこから重症化した場合には確実な治療法はありませんので、点滴や状況に応じて人工呼吸器を装着するなど、通常の重症呼吸器疾患の治療と変わらない治療を行い、回復を待つのが現状です。
ですので、重症化させないためには、まずは健康的な生活を送ること、免疫力を落とさないようにすることが最も重要です。
暴飲暴食や過度の飲酒や夜更かしは免疫力を下げますので極力避け、喫煙者はこれを機会に真剣に禁煙を考えてみてはいかがでしょうか?

新型コロナウイルス感染症について

また、今の時点では感染の機会をできるだけ少なくするのも重要です。
密集した不特定多数の人が集まる空間には出来るだけ行かないように心がけてください。周辺に風邪に似た症状を持った方がいて、自分も調子が悪くなってきた場合には、第一に休息をとって様子を見てください。
帰国者接触者相談センターに電話することも悪くありませんが、まずはかかりつけ医に相談することをお勧めします。
冷静に対応し、むやみやたらと医療機関を受診することも自らが医療機関で感染するリスクを上げますので避けたほうが良いでしょう。
咳や発熱が出た場合、水分をしっかり取り安静にしたうえで、症状の改善が見られない場合には、出来るだけ早くかかりつけ医に相談してください。

医療者にとっても未知の疾患ほど恐ろしいものは在りません。
しかし、人類はそれら疾患に打ち勝ってきたのも事実です。
大切なことは、過度に神経質になって引きこもったりせず、日常の健康に注意して日々を過ごすこと、十分な食事と適度な運動、そして睡眠不足にならないこと、これが病に打ち勝つ最大の方法です。
「2020年春は大変だったね」と後で笑って話せるよう、皆で協力して乗り越えていきましょう。